2005年12月05日

世間知について(1)

予告(というか宣言)の後、なかなか書けずにいるのですが、とりあえず少しだけトライ。
今日はまず、きっかけになった極東ブログの『世間知というのは「それは言っちゃだめよ」ということ』というエントリの復習を中心に。

記事はまず、耐震強度偽装問題について「ファイナンスした人が責任を取る」ということを提案しているR30さんの記事(こちら)にふれ、これは正論だ、と。

で...そこまでを前フリとし、その後が「私のエントリの話」であるとして、えーと、この先は要約するのがとても難しい部分なのですが、
・この種の正論が登場すると自己責任論は黙るしかない(扱うとブログ炎上になりかねない)。
・しかし、マンションは高い買い物だからいろいろ調べるのがふつうで...
ということを言っちゃうとまずい、と。

で、私がこのfinalventさんのエントリで最も重要だと思う2つのポイントの1つがこれに続きます。
ここでぽろっと世間知というものが露出する。
 世間知というのは正論にはなれないし、公言しちゃだめなものだ。というか、およそ公言する資格が与えられていない。
そして、回転ドア事故、扇情的服装の若い女性などに関する「世間知」が例示され、続けてもう1つの重要ポイントだと思う記述。
私はここで明言しておかないといけない。今回の耐震強度偽装物件を買った人にそうした世間知が足りないと言いたいのではないということ。逆だ。世間知というのはそういうふうに他者を追いつめるように機能してはいけない。

◇◆◇

正論というのは、誰が悪いかを追求し、どうすれば解決でき、どうすれば再発を防げるかを考える方向に働くものでしょう。
しかし、ここで言われる世間知というのは、誰が責任を取るべきかということにも、世の中をよい方向に変えていこうとする意欲とも無縁で、自分(および自分にとって大事な人)の安全を保つことだけを目的にしています。

それは正論と対立するわけではなく、視点が異なるという話だと思うのですが、正論を追う人の目からは許し難い立場かもしれません。
で、極東ブログのコメント欄にも多少そんな感じの発言が。finalventさんがさんざん気を遣って「これはこうじゃないからね」と書いていらっしゃる部分は全部無視、なんだよなぁ。
まさに「他人を追いつめる」態度の攻撃的な発言もありました。

私の立場はというと、論理という武器を使って正しさを追求することはもちろん大事だと常々思い、そういう方向に頭が働くことも多いと自己分析するのですが、それが唯一絶対の行動原理のように思い込むことは危なっかしいことだという意識があります。

その危うさを補うのが世間知のようなもの---自分では今まで「世間知」ということばで捕らえてはいなかったのですが---なのでしょうが、最近の言論(マスコミもネットも)は「正論系」が前面に出てくる頻度が高くなる一方という気がします。
それは、世間知が「正論にはなれない」とfinalventさんが書かれたことが正しいのなら、当然の帰結かもしれません。
しかし、正論を徹底させた先にはいったい何があるんでしょうね。
人類の理想郷が待っているのかな?

山本夏彦氏ならなんと言っただろう、今生きている人ならば養老孟司さんあたりが何か言ってくれないかな、などと思いつつ今日はこのへんでヤメにします。

(うーん、イマイチなエントリでした。ごめんなさい)
posted by つきっつ at 23:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
岸田秀あたりがどっちにも斬りつけて、春日武彦あたりがまとめてというのをどっかで期待してますが(あ、どっちも心理の人だ)。
>しかし、正論を徹底させた先にはいったい何があるんでしょうね。
人類の理想郷が待っているのかな?
これは最近のブログ炎上とか見てて、ひしひしと感じるんですね。それを面白がる人も居るけど、私には何が面白いのかよくわかんない。何をどうすればいいのか考えるんじゃなくて、「正論」と「正論」をぶつけて戦って勝ち負け決めて、それの何が楽しいんだろうって。
私は文章使って「追い詰める」のはいつも自分だと思っています。そうでないときは失敗だと思っています。
……って、ううん、うまく書けん。本来ならTBしたいとこですが、今、仕事があ〜っ(と逃げてるのじゃないのよw)
Posted by acoyo at 2005年12月06日 10:33
ちょっとずれますが、昔、こんなのを書きました。
「<a href="http://taikai.seesaa.net/article/1476862.html">歌人と哲学者とコピーライター</a>」
Posted by つきっつ at 2005年12月06日 13:49
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