2004年12月15日

同じ作家の本を続けて5冊

最近、原りょう(「寮」という字の中身---ウかんむりを取った部分---)という人の本を5冊、続けて読みました。同じ作家の本を続けて、というのは久々。初めて宮部みゆきを読んだとき以来だと思います。

いわゆる「ハードボイルド」というやつで、探偵さんが事件を解決する話ですが、ハードボイルドというのは独特の雰囲気、文体、セリフ回し、展開があるようで、熱烈なファン(今は亡き内藤陳さんとか)がいる一方で敬遠する人もいらっしゃるのではないかという気がします。
「男の美学」なんてことばを聞いて「けっ!」と思う方には向かないですよね。
私は、ハードボイルドのファンではないけれど「男の美学」という響きには弱いです(^^)

新聞の書評に「9年ぶりの新作が出た」と紹介されていたのですが、それだけの時間が必要だったのは新しい作品を書くために執筆方法や文体を練り直していたから、ということだったので、「おぉ、こういう人は期待できるはず」と思い、まずはデビュー作を読もうと文庫本で購入(「長編デビュー作」となっているので、それより前に短編が出ているのかもしれません)。

それが(これより後、書名はAmazonへのリンクです)「そして夜は甦る」です(ハードカバーはこちら)。

おぉこれはおもしろい、と思いました。あまり早く読み終わりたくない、わざとゆっくり読んで、1冊の本の中にある世界を味わいたい、そんな気分。

で、読み終わるとすぐに文庫本で残り3冊を購入。ゆっくりゆっくり、と言い聞かせつつ読みました。どれがお勧めか、というと難しいですね。構成がしっかりしているので、どれも楽しめます。雰囲気も展開も大ざっぱに言えば似ているので、いや似ているというと悪いみたいですがそうではなく、本の外にある1つの世界から複数の作品が送り込まれてきたという感じでして...なので、その世界を楽しむことができるなら古いものから1冊ずつ読むのが一番ではないでしょうか。

1冊だけ選べと言われたら...
作品の完成度についてコメントするほどの優れた読者ではないので躊躇しますが、
...と、ここで5分くらい悩む
うーん、これらのどれでもなく、その後に買った最新刊のこれかなぁ。
愚か者死すべし愚か者死すべし
理由は、おそらく過去の作品よりも読みやすいから、です。文が少し柔らかくなったような気がします。
また、これは私の職業病的な癖で、ふつうの人はこんなに細かいことなど気にならないとは思いますが、以前のシリーズでは一部の固有名詞をカッコで囲んであるという表記方法が気になっていました(ハードボイルド小説の「作法」かもしれません)。それがなくなってスッキリしました。

一応、その他の3冊を挙げておきます。それぞれ上が文庫、下がハードカバーです。

直木賞受賞作がこれ。
私が殺した少女ハヤカワ文庫JA
私が殺した少女

これは短編集。ちょっと気分転換に読む感じです。
天使たちの探偵ハヤカワ文庫JA
天使たちの探偵

これらはどれも「沢崎」という探偵が主人公なのですが、その「沢崎シリーズ第一期」の完結編がこれ。つまり、この後9年たって、今年新作が出たわけです。
さらば長き眠りハヤカワ文庫JA
さらば長き眠り

あ、あとですね、探偵というのは警察と仲が悪いらしく、登場する警官、刑事の一部はあまりいい感じに描かれていません。いい警官もいる、いやな警官もいる、という描き方であり、「警察全体が敵」のようなトーンはありませんが、警察にお勤めの方は不満に思われるかもしれません。

言い忘れたことはないかな...あ、上記のリンクから買い物をしてくださると私におこづかいが入るはずですが、最新刊は今なら多くの本屋さんで平積みだと思います。また、それが売れるのに合わせて文庫本を入れているところも多いと思いますので、本屋さんで実際にぱらぱらと最初の数ページを読んでみて、ご自分がハードボイルド文体に抵抗がないことを確認されるほうがよいと思います。
「最初の数ページ」というのは重要です。ネタバレになるようなところを先に読んでしまうと後悔すると思うので、はい。

年末年始の休みにゆっくり読むのもよいですよ、きっと。
posted by つきっつ at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・音楽・アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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