2004年12月19日

気に障ったらごめんなさい

新聞の書評欄を見ていたら、ふたりの人が「みみざわり」ということばを使っていました。

ひとりは朝日新聞で最相葉月さん。「...耳ざわりのいい言葉...」という使い方をしていらっしゃいます。
もうひとりは日経新聞で斎藤精一郎さん。こちらは「...耳障りな話と真剣に取り組む必要がある...」です。

「みみざわり」というのは、もともとは後者の使い方が正しいはずですね。時代劇で「えぇい、目障りじゃ」と言うのと同じように、 「耳障りだ。黙ってろ」などと使うことばです。
「気に障ったらごめんなさい、でも一言申し上げたくて」なんてのもありますね。
そして「キザ」は「気障」で、「気に障る」という意味ですね。

「耳ざわりがいい」という言い方は、僕は耳障りなことばだと感じているのですが、それは「ざわ」という音の響きが「ちょっと落ち着かない」 せいであるかもしれないと思います。
ざわざわ、ざらざら、ざっくり、ざんざん(降りの雨)。どうでしょう?
濁点を取ると、さわさわ、さらさら、さっくり、さんさん(と降り注ぐ太陽の光)

「手触りがいい」ということばがあるので、そこから「聞いたときの印象がよい(だけで中身はよろしくない)」ことを「耳ざわりがいい」 というようになったと思うのですが、それを表すには「響きのいい」とか「上っ面だけがよい」とか、 他の言い回しのほうが適切ではないかと思います。

で、気になったのは、経済学者の斎藤さんが「耳障りな話」というカッチリとした日本語を書いていらっしゃるのに対して、 「ノンフィクションライター」という「ことばのプロ」であるべき最相さんが「耳ざわりがいい」という言い回しをされていることでした。
あと、朝日新聞の校閲部では、この言い回しはOKなのかぁ、というのもがっかり。「これからの時代は"耳ざわりがいい"もOKにしよう」と考えて、というのなら「僕とは考え方が違うのね」ということで「しょうがないか」と思える部分もありますが(それでも「センス悪いよ」と思いますが)、勉強不足が原因だと「おいおい」です。



posted by つきっつ at 13:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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