2004年12月19日

「カミとヒトの解剖学」(養老孟司)

かなり前に読んだ本なのですが、とても印象的な一節があって今でもときどき思い出します。その部分は、
先生は霊界があると思いますか。そう尋ねる人が多い。そういう時には、「もちろんある」と胸を張って答える。

と始まり、乱暴に要約すると「完全な直線は人間の頭の中にしか存在しない。しかし、直線だと思って設計図に線を引き、 直線だと信じて柱にカンナをかけることで家が建つ。まっすぐな分子などというものはないから直線は頭の中にしかないが、それは役に立っている」、 「神の存在を "科学的に" 証明しようとする人がいるが、そんな必要があるのか」といった感じです。 ここからの展開のほうがむしろ重要なのですが、私にはこの部分が「おぉぉ」でした。

信心深い方には受け入れがたい考えかもしれませんが、「神は、それを信じる人の心に宿る」と解釈することもできるので、 宗教を持つ人も納得してくださるかもしれません。

宗教関係の雑誌(「仏教」)に連載された文章を中心に構成されているそうです。初版は1992年2月と13年近く前ですが、 古くなるような内容ではなく、あとがきによると、

ともかく、この数年間に、私が考えたことは、相当ていどこの中に含まれている。

とのことなので、最近の "養老ブーム" で彼を知ったばかりの方にも、 養老さんの本は以前から読んでいたがこの本は知らなかったよという方にも一読をお勧めします。
出版社(法蔵館)がマイナーであるためか、定価が少し高い(2039円)ためか、あまり話題になっていない気がするのですが、 とてもおもしろいと思います。

カミとヒトの解剖学」養老孟司(法蔵館)(Amazonにジャンプ)



posted by つきっつ at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・音楽・アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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