2005年01月15日

いとうせいこうの嗅覚

「ノーライフキング」という本があります。
ソフトカバー(おそらく)
新潮文庫

いとうせいこうが15年以上前に書いた小説で、文はちょっとぎこちないし小説家が書く小説に比べると技術的には落ちるし、なのですが、それを補って余りある彼の鋭さが発揮されていると思います。
発行当時の1988年に1回(か2回)読んだだけなのですが、最近になって物語の終わりの方で主人公が繰り返すことばを思い出し、「あぁ、そのとおりになりましたね、いとうさん」と思うことがときどきあります。
◆小説の内容を多少なりとも事前に知ることは好きじゃない、という方(そして読もうと思っていらっしゃる方)は、とりあえずここまで◆
「とてもリアルです」と彼は繰り返します。
ネットワークと、そのネットワークの向こう側に存在するものを「リアル」と感じるのだという記述が1988年に行われていたのですね。
1988年というのは、ISDNという64Kbps(現在のADSLの1/100以下の速度)のデジタル通信が登場した年で、HTMLもないような頃ですよ。

すげえな、いとうせいこう

と思います。今やネットゲームにはまって会社や学校をやめてしまう人、塊魂を長時間プレイした後で車の助手席に座っていたら「あのポストを拾える」と思って運転席のハンドルに手を伸ばしてしまった人(HOTWIREDの記事)が出るような時代。

最終的に脳みそが処理するだけならば、物理的な現実であろうとネットワーク上のデータであろうと同じこと...なのでしょうか。

以下は関連書籍です。図書館で見かけたらパラパラと見てみるものいいかも、ぐらいですが。
インターネットはからっぽの洞窟
クリフォード ストール Clifford Stoll 倉骨 彰

by G-Tools

パソコン少年のコスモロジー
奥野 卓司

by G-Tools


posted by つきっつ at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・映画・音楽・アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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