6/14の記事(こちら)は本の紹介でしたが、その中に本に載っていた数学クイズが出ていました。その前半。
スミス夫妻には子どもが二人いる。ひとりは男の子だとわかっている。ではもうひとりが女の子である確率は?」(双子ではありません)この問題、過去に遭遇したことがあるのですが、そのときはなんだか納得できませんでした。「なんで1/2じゃないの?」
答えは3分の2
確率とか場合の数は興味のある分野で、中学、高校では得意だったのですけれど。
で、今回もう一度考え直してみたら納得できたのでメモ。
子供がふたりいるというのは、
男−男
男−女
女−男
女−女
の4通りですよね(左側が上の子、右側が下の子とする)。この4パターンの確率は同じです(もちろん、厳密に言えば男性のほうが多いとかいう話は忘れて)。
スミスさんのところは、このうち女−女のパターンではないことがわかったので、残り3パターンのどれか1つ。そのうち、もう1人が女の子であるパターンが2つなので、確率は2/3。
...で、前回もここまでは考えたものの「だけどさぁ...」と感覚的に納得できなかったのです。
子供が男か女かは1/2なのに、片方が男かどうか「わかった」だけで、もう片方の確率が「変わる」なんて、と感じてしまうんですね、どうしても。
今回は、確率でなく統計に置き換えて、「つまり、ふたり兄弟の家庭が4万あると、上のパターンがそれぞれ1万ずつ。そのうち、片方が男の家は3万で、そのうちもう片方が女の家は2万」と考えたところ、感覚的にも納得できました。
そして、「片方が」という部分のトリック(クイズとしてのトリックというよりは感覚が陥る罠だと思いますが)は、問題の後半を見るともう少しよく見えてきます。
「スミス夫妻には子どもが二人いる。上の子は男の子、では下の子が女の子である確率は?」(双子ではありません)「片方が」と考えて感覚的に「おかしいなぁ、1/2じゃないの?」と思っているとき、頭に浮かんでいるのは実はこっちのケースなんですよね。
答えは2分の1
前半の「2/3」を見て「上が男だったら、次は女が生まれやすいっていうのか?」と思ってしまうのは罠にはまりこんでいるわけでして、その場合は後半のように当然1/2なんですね。
それにしても、確率の周辺にはときどき感覚と一致しない「正解」があって、脳味噌が刺激されます。
■追記:partIIを書きました(こちら)■